女の子と魔法の小箱|MARIE JEWELRY(マリエジュエリー)

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女の子と魔法の小箱
 
 
 
記憶の宝箱
 
  
窓辺から瞬くお月さまとお星さまを
うっとりと眺める女の子がひとり。
 
部屋には今朝庭で摘んできたばかりの
真っ赤なバラが一輪飾ってありました。
 
「世の中は美しいもので溢れているわ。」
 
そう思いながら女の子は
気持ちのよい眠気に身をまかせるのでした。
 
小一時間ほど眠ってしまったのでしょうか。
 
目をこすりながら視線を窓辺にやると、
見覚えのない小箱が3つ
置かれているではありませんか。
 
「どなたからの贈り物かしら?」
 
それぞれの箱には
ローズレッド、ミッドナイトブルー、
シャインゴールドの
素敵なサテンのリボンが掛けられています。
 
女の子は不思議に思いながらも、
リボンを解こうとしました。
 
すると、しゅるるるる!
 
驚くことに、勝手にリボンは解けていき、
隙間に挟まっていた羊皮紙が出てきました。
 
ひとつは「全ての夢を叶えたい者へ」
ひとつは「愛と美しさを求める者へ」
ひとつは「穏やかな幸福を望む者へ」
 
と古びた文字で書かれています。
 
ーさぁ、お前の望みを選ぶのだー
 
耳に聞こえた訳ではありませんが、
だれかがはっきりと意識に呼びかけたのを感じます。
 
ー待って!あなたはだれなの?ー
 
女の子は咄嗟に心の中で問いかけました。
 
ーわたしは、遠い未来のお前だよー
 
次の瞬間、女の子の目はパッと見開かれ、
永遠のように続く素晴らしい未来の景色の一部を
一瞬にして見たのでした。
 
それはどんな言葉を使っても、
表現するのは難しいでしょう。
 
まるでお母さんのお腹の中にいるような、
心からの安堵感。
どうしようもなく幸福で、涙が溢れるような感覚…。
 
気づけば汗でびっしょりの手の中には
小箱がひとつ、握られています。
 
 
ーそうよ、私が求め たのはこれだわー
 
 
夜空を見上げると、お月さまが
にっこり微笑んだような気がしました。
 
 
 
女の子と魔法の小箱
 
 
 
女の子と魔法の小箱
 
  
窓辺から瞬くお月さまとお星さまを うっとりと眺める女の子がひとり。
 
部屋には今朝庭で摘んできたばかりの 真っ赤なバラが一輪飾ってありました。
 
「世の中は美しいもので溢れているわ。」
 
そう思いながら女の子は 気持ちのよい眠気に身をまかせるのでした。
 
小一時間ほど眠ってしまったのでしょうか。
 
目をこすりながら視線を窓辺にやると、
見覚えのない小箱が3つ置かれているではありませんか。
 
「どなたからの贈り物かしら?」
 
それぞれの箱には
ローズレッド、ミッドナイトブルー、シャインゴールドの
素敵なサテンのリボンが掛けられています。
 
女の子は不思議に思いながらも、 リボンを解こうとしました。
 
すると、しゅるるるる!
 
驚くことに、勝手にリボンは解けていき、 隙間に挟まっていた羊皮紙が出てきました。
 
 
ひとつは「全ての夢を叶えたい者へ」
ひとつは「愛と美しさを求める者へ」
ひとつは「穏やかな幸福を望む者へ」
 
と古びた文字で書かれています。
 
ーさぁ、お前の望みを選ぶのだー
 
耳に聞こえた訳ではありませんが、
だれかがはっきりと意識に呼びかけたのを感じます。
 
ー待って!あなたはだれなの?ー
 
女の子は咄嗟に心の中で問いかけました。
 
ーわたしは、遠い未来のお前だよー
 
次の瞬間、女の子の目はパッと見開かれ、
永遠のように続く素晴らしい未来の景色の一部を 一瞬にして見たのでした。
 
それはどんな言葉を使っても、 表現するのは難しいでしょう。
 
まるでお母さんのお腹の中にいるような、心からの安堵感。
どうしようもなく幸福で、涙が溢れるような感覚…。
 
気づけば汗でびっしょりの手の中には 小箱がひとつ、握られています。
 
 
ーそうよ、私が求めたのはこれだわー
 
 
夜空を見上げると、お月さまが にっこり微笑んだような気がしました。